河鍋暁斎と三味線

目安時間:約 3分

雨が続いたある日のこと、

三味線を取りだしてみると「・・・!!」

見事に皮が破れていました。
三味線を弾いている人ならよくある経験ですよね。

 

 

破れた皮を見た瞬間、

財布から万札が飛んでいくのが目に浮かびます。

 

そうなんです。

皮の張り替えには数万のお金がかかるんです...。

 

 

ところで、三味線は表と裏に皮を張っているので

破れて初めて胴の内部を見ることもしばしば。

 

高級な三味線の内部には

「綾杉胴」と言って波模様の彫りを施してあったりします。

音質を良くする効果があるのだとか。

 

 

さて、皮が破れた三味線では演奏はできません。

そこでご覧いただきたいのがこの絵です。

 

 

河鍋暁斎(かわなべきょうさい)作「地獄太夫と一休」

何と骸骨が皮のない三味線を演奏しているのではないですか…!

 

暁斎は幕末から明治初期にかけて活躍した

日本画家で他にも骸骨が三味線を弾く絵を描いています。

 

風刺画を得意とした彼ならではのユーモラスで不気味な作品です。
地獄太夫とは艶やかの着物を身に纏った遊女のこと。

 

 

その隣の男がみんなも知っているあの一休さんです。

地獄と浮世、生と死、遊女と坊主という

対照的なテーマを卓越した描写力で表現しています。

 

暁斎もきっと三味線を嗜んでいたに違いありません。

破れた皮の三味線は弾くことができない屍のような存在...

ってところからこの骸骨の描写が生まれたのだと思うんです。

 

彼独特の生と死への鋭い視線こそ、

師匠の前村洞和をして「画鬼」と言わしめる所以です。

 

 

最近の三味線は合皮製ものや、

破れないな特殊な紙を張ったものも出てきました。

 

皮がいつかは破れるのではないか...  

 

 

という恐怖から解放されるだけでも、初心者にとっては安心ですね。
楽器は生き物、末永くお付き合いしたいものです。

 

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