和楽器の絃は絹糸を使われることが多いのですが、
大抵色は白色か黄色です。
代表的なもので言えば箏は白色、
三味線は黄色といった具合に・・・
絹だから白色なのはわかるけど、
どうして三味線の弦は黄色なの?と思われる方も多いでしょう。
実は...絹糸はもともと黄色だったんです!
黄色い繭の蚕は昔から存在する品種で、
品種改良の末現在の白色の繭が生まれるようになったそうなんです。
その名残で今では白色の絹糸にウコンで黄色く染めて
三味線の弦が出来上がっているのです。
どうせ染めるのであればもっといろんな色があってもいいんじゃない?
おしゃれに敏感な方にはそう思われる方もいるでしょう。
しかし、残念ながら初心者用に色分けされた絃は一部あるものの、
黄色以外の弦はほとんど市販されていません。
「SHAMIKO」は赤い弦
オリジナル三味線「SHAMIKO」は赤い弦を使っています。
ただし絹糸は切れやすいとの事でナイロン製を使っているとの事。
今後、赤に染め直した絹糸の絃も販売していく予定らしいので
他と違う三味線を使いたい人は要チェックですね。
弦を赤にすると運命の赤い糸と言いますか、
何か意味深で特別な感じがします。
最後に紹介するのは大正ロマンの画家
竹下夢二による「三味線草」の表紙絵です。
個々で描かれている三弦は何と赤色です。
大胆な構図と配色が目に焼き付く作品です。
夢二は三味線を弾く女性を多数描いています。
父も祖父も三味線をたしなむ家庭で育って、父に限っては芸者の女を
よく家に連れ込んでいたそうなので、三味線は身近な存在だったのですね。
忘草とて三味線ひけど
あの夜の唄のわすられず
つひつまされて泣いたもの
わしぢやないもの絃ぢやもの。
〜夢二「三味線草」の一節より〜
※弦は現代表記で楽器の表現で多いのは絃ですが、
一般的な弦と表記しております。
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