留学は三味線から始まる・・・。

目安時間:約 4分

『本当にこの駅でいいのかな・・?』

いつも、 友人に囲まれていた僕が、

1人で留学する事になった。

言葉も通じない、街の勝手もよくわからない、

待ち合わせ時間になっても誰もこない・・・。

 

片言の英語しか話せない僕は、途方に暮れていた。

 

『本当にこの駅でいいのかな・・?』

 

今日、ホストファミリーと無事に会えるのか、 ちょっと不安になってきた・・。

といっても、無闇に動くわけには行かない。

手持ち無沙汰になってしまい、英会話の勉強でも しようと思ったけど、

疲れてそんな気分でもない。

 

 

三味線に近づく男の影

 

いよいよ、不安になってきたとき、

日本から持ってきた楽器がある事を思いだした。

本体に葛飾北斎の 『赤富士』の絵が描かれた小さい三味線だ。

 

最近、たまたま読んだマンガに影響されて

『三味線』を始めようとしたら、、

 

とてもお気楽に始める事は出来なさそうだと、

諦めかけた時に出会った三味線がこれだった。

 

ほとんど、衝動買いに近い感じだけど、一目惚れ。

今の僕にはドンピシャだったし、何より海外で異文化を体験したり、

 

アートが好きで、 留学する事が決まっていた僕にとっては

ツッコミどころが無いシロモノだった。

 

その小さい三味線で「さくらさくら」を 慣れない手つきで

ゆっくりと弾き始めて 3回目、

だんだん慣れてきた頃に、 背のデッカい男が近づいてきた・・。

 

ホストファミリーではなさそうだ。

 

さくらさくらで我サクラチル

 

ちょっと、ビビっていると、

 

「それはシャミセンか?」「日本人か?」     と

 

片言の日本語でマシンガントークが炸裂。

どうやら日本に住んだ事もあるらしい。

 

とにかく、本物のマシンガンじゃなくて良かった。

めんどくさそうなので「好きにドウゾ!」と、

その楽器を手渡して後は放置。

 

あまりに聞き難い演奏だったので、 棹に貼ってある数字を

「4、4、6、4、4、6・・」 と教えると・・

 

「さくらさくら」を弾けてしまった。

しかも僕よりも早くマスターし「メチャ嬉しそう」

「なんて事だ」「不安感」にプラスして「敗北感」まで頂いた。

 

 

そんな表情を感じ取ったのか、その外人が、

「どうした?」と聞いてきた。「はっ!」として、

ここぞとばかりに 「この場所で合っている?」と聞いたら、

 

待ち合わせの場所とは反対側の出口だと教えてくれた。

 

「おー!助かった!」

 

僕は事情を説明してお礼を言いその場を去った。

そのあと、無事ホストファミリーとも合流ができて、

 

「それはシャミセンか?」「No、Shamiko・・」

 

どうやら、また敗北感を味わいそうな予感・・。

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